トリエンナーレ企画のパフォーミングアーツとしてのオペラということでクラシックファンでもないのに鑑賞してみました。
日本人女性の一途な思いと日本文化の神秘というテーマで20世紀初頭のヨーロッパで成功したオペラです。
田尾下 哲氏の舞台装置と演出に期待してました。理工系の演出家としての現代美術にふさわしい奇抜な舞台装置などを期待していたのですがやや空振り。
しかし舞台は日本画のような美しさがありました。蝶々さんが2幕の最初に海を見つめて後ろ姿でたたずんでいるシーンは上村松園の日本画と見間違うほどでした。 おそらく照明の効果と振付の市川笑三郎の指導が大きかったのではないかと推測します。
何よりも感心させらたのは蝶々さんの安藤赴美子さんの歌と演技です。しとやかな日本女性を大声で熱唱するという矛盾をすんなりとしかも説得力を持って演じている。「ある晴れた日に」の有名なアリアは会場全体が感情移入させられました。会場のあちらこちらからブラーヴォの掛け声が上がり大きな拍手に包まれました。